*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「ひとめで"暴走族"って分かる人たちだった!」
「ッ」
「結局、それで病院に着くのがとても遅くなって、おばあちゃんそのまま助からなかった……」
悲しい言葉とともに、千歳から大粒の涙が次々こぼれ落ちる。
それはずっと千歳の奥に沈んでいた、固くて冷たい痼。
胸が切り裂かれそうなほど痛んだ。
「病院の人や警察にその3人のこと言ったよ、でも改造されてナンバーも付いてないバイクだし、どこの誰かも分かんないし、捕まえられないって」
「……ッ」
「…………でも許せないよ!救急車が走ってたら、中で人が死にかけてるって分かるでしょ!?それをふざけて邪魔するって、それでも人間!?いったい何が楽しいの!?」
「千歳ッ!」
「教えて!いったい何が楽しいの!?」
オレは強く、腕のなかの千歳を抱きしめた。
千切れそうなくらい、苦しくて苦しくて堪らないのに、なにもしてやれない。
「……ったいに絶対に絶対に絶対に許せない、許せない。許さない!許さないッ!あんなヤツらッ!……自己中のバカでクズで人の心がない連中だよ!」