*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
千歳が暴走族や不良を気嫌いする理由がやっと分かった。
でも、ここまで酷いことがあったなんて思っていなかった…………!
そんなヤツラはオレだって許せない!
でも…………。
「まさかそれがさっきの3人なの?」
「あの人たちが乗ってたバイクの一台が、なんか似てたような気がしたの」
そういえば近くにNSRとゼファーが停まっていたことを思い出す。
「車種覚えてるの?」
「…………なんとなく、色とかなら」
「でも、だからいきなりケンカ売るなんて無謀だよ」
「ケンカ売ってないよ、ちょっと訊いただけ!」
そうは言っても千歳の性格なら、きっといつもみたいに喧嘩腰だったんだろう。
それに千歳が小学生の頃の出来事なら、もう何年も昔だ。
でも、さっきの3人はどう見てもオレらとタメくらいだった。きっと無関係だと思う。
それに犯人が今も同じ単車に乗ってる保証もないし、見つけても証拠がない。
しかも、肝心の車種さえうろ覚えじゃ、探し出せる可能性は限りなくゼロに近い………………。
だけどそれを口にするは憚られた。
「…………頼むからもう不良に絡んだりしないで」
「でも……ッ」
「千歳が心配なんだよ!」
強く強く抱きしめた。