*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



こうやって、千歳の悲しみを、オレが少しでも吸いとってあげたい。どうして痛みは、代わってあげられないんだろう。

「……ちと…せ……ッ」

ずっと胸に秘めていた辛い思いを話してくれた。

なのにオレはどうだ。
まだ話してない。

ホントの自分を打ち明けず、自分の正体隠してそばにいるなんて許されない。

できない、もう黙ってるなんてできない。

「聞いて、オレも大事なこと言う」

「え?」

「ずっと千歳に隠してたことがある」

「…………え?」

「魔陀羅のリーダーなんだ」

「…………え?………………えっと、誰が?」

「オレ」

千歳は一瞬、表情をなくしぽかんと口をあけた。

「…………いきなり何?どうしたの?」

「本当なんだよ」

「は?魔陀羅?…………あの暴走族の魔陀羅のことだよね?竜憧くんがリーダー?総長ってこと?」

「ごめん」

「いやいや待ってよ。突然なに?意味わかんないんだけど?何ふざけてんの?」
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