*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「ふざけてないんだ。ほんとなんだ。………………ごめん」
「ちょっとぉ?人がマジメに話してんのにつまんないこと言わないで?笑えないんだけど」
「……………………ごめん」
「ほんとにほんとにやめてって!怒るよ?」
「信じらんないかもしれないけど、嘘じゃない。」
「…………」
「証拠に"アイツら"を今すぐここに呼んでもいいよ。ほら、いつかすれ違ったよね?うちの幹部たちと」
まるでオレの話を信じていなかったけど、"幹部"と口にしたとたん、千歳の表情が変わった。
「…………うそ…………あの怖い人たち?…………は?竜憧くん呼び出せるの?」
笑っていた千歳の口角がゆっくり落ちてゆく。
「電話一本かければすぐとんで来るよ」
「嘘ォ…………なんで!?」
「オレの指示なら何でも従う」
「………………!?嘘だよね?」
「本当なの。本当なんだ、隠しててごめん。でも聞いてほしい、オレが魔陀羅やってるのは……」
「…………ちょ、ちょっと待ってよッ!?」
千歳はオレを突き飛ばすように立ち上がった。勢いで横に置いておいたバックが、ドサッと落ちる。
「え!?嘘でしょ!?…………魔陀羅の総長!?嘘だよね!?信じらんない」