*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
魔陀羅のことを言わなきゃよかったのか?
いや、黙ってるなんて卑怯だ……。
でも、そのせいで嫌われた…………。
言わなきゃよかったのか………………。
さっきからずっ……とこの繰り返し。
千歳が暴走族を憎む理由も知ったからこそ、余計にツラい。
せめてその3人を見つけてやりたいけど、あれだけの情報で探し出すのは困難だ。
いや、きっとムリだ。
見つけられるなら、とっくに警察が見つけてる。
しかも千歳が小学生の時の話なら、オレが総長になるずっと前。
多分その3人はもう成人してるし、族をやめてる可能性が高い。そもそも今もこの街に暮らしているのかも分からない。
それを探し出すのは雲を掴むような話だ。
『……ひとめで暴走族って分かる人たちだった!救急車が走ってたら、中で人が死にかけてるって誰でも分かるでしょ!?それをふざけて邪魔するって、それでも人間!?』
髪をかきむしった。
千歳を思い出すたび、同時に、何度も何度も胸に言葉が突き刺さる。