*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………ああ……ああああああああああァァァァァ‼」
救急車を妨害するなんてマネは、オレなら絶対にやらせない!もしそんなことをするヤツがいたら、絶対に絶対に絶対に許さない!
そんなことをさせない為に魔陀羅のリーダーになったんだ!
オレが総長という座を引き受けた理由は、凶悪で乱暴で好き放題犯罪をおかしては暴れるメンバーたちに、これ以上メチャクチャなことをさせない為だ。
組織としてのルールを作って、歯止めをかけたかった。
市民と共存……とまではいかくても、人として越えちゃいけないラインは守るように。
でも、そんなオレの気持ちを千歳に説明しても、きっと詭弁や言い訳とかしか思われないよな……………………。
悶々と、ずっと頭のなかでとりとめないことを考えてると、おもむろにドアがノックされた。
「…………ラギ?いるか?いるよな?」
「……」
声を聞くまえから、部屋に近づく足音だけで誰かは分かっていた。
黙っていると、男はオレの返事を待たず、キィっとドアを開けた。