*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「もし妹泣かしたらお前でも殺すからな」
冗談半分、本気半分で言うと、タカシはふっと力を抜いて、微笑を浮かべた。
「誰に言ってんだよ」
タカシはオレの一つ上だが、すごく大人っぽい。
高校に行かず15から働いているせいか。
今は雷怒を束ねる一方で、小さいながらもバーを経営している。
そして料理もお手のもので……。
「出来たぞ。チキンとほうれん草のソテー。アボカドのサラダ。あとパスタも茹でてるから」
「ずいぶんコジャレたモノ作るんだな。女子かお前」
「これくらいで何言ってんだよ。お前なにも食ってねーんだろ?食えよ」
「オイ!パスタじゃつまみになんねーぞ‼」
酒さえ飲めればいいトウタが怒鳴る。
「それよりミルク温めてくれねー?コイツらも腹減ったかも」
「それはいいけど、ナァ、今日の夕方……」
タカシは冷蔵庫から牛乳を取り出しながら言った。