*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「駅周辺でちょっとした揉め事があったってな。なんでも女子高生がヤンキー3人にケンカ売って、パトカーまで出動する騒ぎになったらしい」
「へぇ?"女子高生が"絡んだのか?」
トウタが面白そうな顔でタカシを振り向いた。
「ああ。だが途中で"連れらしき男"が邪魔に入ってきて、その女子高生かっ拐って逃げたそうだ。ラギ、この話知ってるか?」
見ていたのかと訊きたくなるほど正確だ。
相変わらず、この男は情報が早い。
雷怒の諜報部は優秀だと誉めるしかないな。
「知ってるも何もそれ"オレ"だ」
「やっぱり、な」
「ン?じゃそのヤンキーにケンカ売ったってのがお前の女か?ずいぶんヤンチャな女だな」
トウタは二本目のビールを開ける。
「ウルセェな、ほっとけよ」