*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………でも?」
「黙って守られるような女じゃねーんだよ」
「そりゃあ男にケンカ売るくらいだからな。いっぺん痛い目見れば」
「痛い目見てからじゃ遅せェだろッ‼」
「オレに当たンなよ!」
つい熱くなって叫ぶとトウタに睨まれた。
「まぁいいじゃねーか、雨降って地固まるって言うし。女は気まぐれだから、明日んなりゃ案外ころっと機嫌直ってるかもよ?」
人肌になったミルクを仔猫たちの前においたタカシ。そのうちの一匹をそっと撫でた。
その仕草を見て、きのう千歳がここにいたことを思い出した。あのときは幸せだった。
今日、こんなことになるなんて夢にも思わないで。
『もう触んないで!不良なんか大嫌いッ!』
あの言葉を思い出すと、胸が裂けるほど痛む。誰に殴られても、これほどの痛みを感じたことはない。