*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
だがだとしても、3人で女ひとりをいたぶろうとしたんだ。ロクな連中じゃないのは確かだ。
「昨日の報復をしてやろうと、千歳さんを狙ってるかもしれないんだ。ああいうヤツらはしつこいから、また遭遇したら危ないよ、だから今日から一緒に帰」
だが、話を断ち切るように、ここで彼女は立ち上がった。
「もう私に二度と話しかけないで」
震えを圧し殺した声。
千歳の静かな怒りが、見えない冷気のように流れてきて、思わず息をのんだ。
でも危険と知って、放ってはおけない。
「オレを怒ってるのは分かる。ごめん。本当に、隠しててごめん。族やってて、ごめん」
「……」
「ごめん。こんなオレで…………本当ごめん。…………でも!これとそれとは全然…」
「分かんないの!?話しかけないでって言ってるの!」
もう一度きっぱりそう言ってようやくオレを見た。いや、睨んだ。
「オレを嫌いでもいい。ただ千歳さんを守らせて欲しい」
「迷惑ッ!ぜんっぜん迷惑‼」
そのとき千歳の目がウサギのように真っ赤だと気づく。
「どうした千歳?」
と、オレたちの異様な空気に気づいた小海が寄ってきた。