*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
小海だけじゃなく、他のみんなも何事かとオレたちを注目してる。
「小海!今から私と席変わって!」
「……は?」
「変わっ……てッッ‼」
「どーしたんだ急にそんなこ……オイ千歳!?」
急に叫んだかと思ったら、小海の話を聞かず千歳は教室を飛び出した。
「どーしたんだよ!?」
「千歳さん!」
追いかけようとしたものの、小海に止められる。
「ちょっと待て!何で千歳泣いてんだ?お前千歳になんかしたのか!?」
「……ッ」
「なんだよもーッ!アイツが泣くなんてあり得ねーよ」
小海が声を荒らげる。
千歳を傷つけたのは間違いなくオレだ。
でも、あそこまでとは正直思ってなかった。
正直な気持ちをいうと、頭のどこかで、もしかしたら魔陀羅のリーダーやってるオレを、"受け入れてくれる"んじゃないかって、淡い期待が少しだけあった。
でも甘かった。オレは自惚れていたんだ。
千歳が暴走族に抱く嫌悪感は底無しに深い。
それを思い知った。