*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「もしかして竜憧くんに彼女いたとか?二股されたの!?」
「二股もなにも千歳つき合ってないだろー‼」
「も、小海くんは黙ってて!」
「……」
二股、か。
暴走族の総長なんて言われるくらいなら、まだ彼女がいるって言われた方がマシだった。
私にとってはそのくらいショックなことだ。
「今日はなんか色々ごめん。でも言えない……今は言えないよ……」
まるでお通夜のような口調になってしまった。
それを見て、言い争いをしていたさっちと小海の顔が曇る。
「千歳ぇ……」
ふだんの私は、いわゆる"元気だけが取り柄の女"を画に描いたタイプだから、余計に心配をかけてしまってる。
「……まーいーけどさ。オレは。千歳が竜憧と縁切りたいってのなら、マジで席代わってやるよ」