*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
なんか面倒くさいから、ぶつかって鼻血を出したことは割愛しとこう。
「そういえば千歳、きのうの今ごろさ、駅で怖い人に絡まれたってホント?」
「…………え?なにそれ?」
おもむろにさっちに話を振られたから、一瞬何のことかと思った。
けど、すぐに思い出す。
「あー、アレ。いや少し違うけど。何で知ってるの?」
「さっき掃除のとき須藤さんが言ってた。帰るときたまたま見かけたんだって。大丈夫だったの?」
「……」
須藤さんか。あの喋っていないと死んじゃうんじゃないかってくらいお喋りな人。
見られていたのか…………きのうのアレ。
別にいいけどさ。
「何の話?」
事情を知らない小海が私の顔を覗く。
でもこれもまた説明するの面倒だな……なんて思いつつ、キャラメルラテにささった緑色のストローを摘まむ。
だけど口をつけようとした瞬間、「ちょっとォ‼」と、すごい顔をしてさっちが身を乗り出してきた。