*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………竜憧……くん?」
店に背を向けているけど、あの後ろ姿を見間違えるわけはない。
見間違えるわけない。
「やっぱり竜憧くんだよね!?…………すごい偶然!誰か待ってんのかな!?」
最初に気づいたさっちは目を輝かせている。やたらテンションが跳ね上がった。
「さあね……」
「声かけて誘っちゃおうよ?」
「やだよ‼」
「なんでぇ?呼ぼうよー」
「いいって!」
「つーかさ、オレらを学校からつけてきたんじゃね?」
呼ぶ呼ばないの押し問答をしていた私とさっち、小海の一言ではっとする。
「まさか」
「絶対そうだって!千歳についてきたんじゃねー?アイツ怖ぁぁ!」
まるでストーカーみたいな言いぐさ。
小海は青い顔で大げさに「怖っ!怖っ!」と、しつこく繰り返す。
でも確かに"私を守りたい"とか、"離れない"とか言ってたことを思い出した。
…………うそ!?