*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
私服、初めて見た。
印象が変わる。いつもより大人っぽくて20歳くらいに見える。
驚く私に対し、先輩はなぜかクスクス苦笑い。
「そんな怖い顔してどないしたん?」
「…………え?私怖い顔してます……!?」
「めっちゃ怖いわー、今から親の仇でもとりに行こかみたいな?」
「……そんなッ」
「痴漢にでもあったん?それとも財布でもすられた?それともォ…………」
ここが待ち合わせスポットだと気づいた先輩はしたり顔。
「ああ、約束すっぽかされたん?」
「ッ」
けろっと言い当てられ、下唇を噛んだ。
私…………そんなに怖い顔してたかな!?
でも、強張る私とは逆に、先輩は普段通りでけらけら明るい。
「なんやホンマにすっぽかされたんかいな?ひっどいヤツがおるなぁー?千歳待たせるなんてどこのどいつ?」
「…………いえ…………別に……ッ……」
先輩が明るければ明るいほど気持ちは複雑だ。頬っぺたが熱くなってきた。