*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
それに"どこのどいつ?"って訊いてるけど、たぶん相手がどこの誰か、察しがついてるって顔だ。
ますます、いたたまれなくなった。
バカみたい、私、バカみたい。
「何時の約束なん?」
「………………3時です」
「はァ3時て!?…………もうそろそろ4時やで?時間ホンマにあってる?」
先輩は自分のスマホで時間を確認してから驚いた声をあげた。
「……連絡つかないんで……分かんない……」
私が蚊の鳴くような声で答えると、呆れたような、感心するようなため息が先輩から漏れた。
「はァー。連絡もない相手を1時間も待っとるん?健気やなあ千歳は」
それは本心かな?それとも皮肉?
「ッ」
皮肉、だよね。
いつのまにか拳を握っていた。
「別に待ってるわけじゃないよッ」
「待ってるやん」
「だから、それは、……一言文句言ってやりたいから‼…………文句っていうかぶん殴ってやりたいから‼……別に待ってるわけじゃない‼…………です‼」