*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
起きて冷蔵を開けたら、仔猫たちにやるミルクが切れてることに気づいた。
それで近所のコンビニに買いに行ったんだが、そのときここを通ったときも、確かああしておばあさんがひとり、ベンチにちょこんと腰かけていた。
そのばあさんにすごく似てるような気がする。
でも、あれは確か午前9時過ぎだったぞ?まさか5時間もバス待たないよな?
「ばぁちゃん。どうかしたの?」
気になって、つい足を止めた。
でもこのばぁちゃんはうつ向いて自分の足元を見つめたまま、オレを見ない。
「なァばぁちゃん!?」
聞こえなかったかと思って、声のボリュームを上げると、ばぁちゃんはゆっくり顔を持ち上げてやっとオレを見た。
だが無言。