*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



「大丈夫って顔真っ青じゃん?すごい汗かいてるし。どっか悪いの?」

「……だいじょうぶ……ただ……めまいがしただけ……」

「めまい!?」

それで5時間も動けないなんて異常だ。それによく見たら息も苦しそうだし。

「ばぁちゃんの家どこ?家族に知らせるよ」

「……家族は……いないの。ひとり、暮らし……だから……」

「……ッ」

そうか、じゃなきゃとっくに家族は心配して探してるよな。

「救急車呼ぶ?すげェ苦しそうだよ?」

ずっと左の胸を押さえているのが気になる。

「もしかして心臓悪い?」

「……2年前……し、心筋症に……ッ……」

「え!?薬とかねーの!?」

「……お、薬は、……家に……でもほんと気にしないで……だいじょう……ぶ……」

そう言ったきり、固いベンチの背凭れに上半身を倒してしまった。

「ばあちゃんッ!?」
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