*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
苦しそうに息が荒い。めまいってこんなに苦しそうになるのか!?なったことねーから分かんねーよ!
万が一、命に関わることだったら取り返しがつかない。
迷う暇はなかった。救急車を呼んだ。
「ばぁちゃん、いま救急車呼んだからな!?しっかりしろよ!?」
こんなとき病人にどうしたらいいのか分からず、ばぁちゃんの子どもみたいに小さな背中を擦ることしかできない。
救急車が来るまで、実際は10分くらいだったと思うけど、とても長く感じた。
やがてけたたましいサイレンと赤色灯がバス停に近づいてきた。ストレッチャーに乗せられるときも、細い手を握りしめていた。
「ばぁちゃん!絶対死ぬなよ‼しっかりしろ‼」
「キミが通報者だね?この人のお孫さんかな?」
「え?いやオレは…」
「この人に持病はある?」
「……あ、さっき心筋症だって言ってた!」