*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………」
「今言った魔陀羅もみんなはワーキャー騒ぐけど、私はぜんぜん凄いなんて思ってないし!むしろ今どき暴走族なんかダッサイの極み!どうせ一人じゃ何もできないんでしょ?だからつるむんでしょ?不良っていつも仲間とつるんでるもんね!そう思わない?」
思ってることをはっきり言って、じっと竜憧くんを見つめた。
でも彼は特に反論するでもなく、同調するでもなく、黙って私を見下ろしている。
何を考えているんだろう。
不思議な男子だ、ほんと調子狂う…………。
「族なんか弱い人間のやることだよ!もし竜憧くんが不良や族をカッコいいと思ってんなら、バカみたいだからやめた方がいいとしか…」
「ストッップッ‼」
急に背後で声がした。
ハッとして振り返る。
立っていたのは同じクラスの小海(おみ)という男子。
「なんだ、小海か。びっくりした」
小海は小学生の頃からの腐れ縁で、気心も知れている。それに不良でも暴走族でもない、ごくふつうの男子だ。