*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
だが向こうだってオレたち(魔陀羅)を舐めてるワケではない筈だ。
なのに、こんなにも正攻法でケンカ売ってくるとは、何か裏があるとしか思えない…………。
「ラギさん、約束の11時です」
No.3がスマホを見て呟いた。
そのときヤツらの群れはちょうど橋の上に差し掛かった。けたたましいエンジンの音が、再び静寂を引き裂く。
「数は?」
「ざっと見た感じ………300くらいっすかね」
これくらい全然余裕という顔で仲間は答えた。
こっちの数もちょうどそのくらいだ。最も今夜集めた兵隊は魔陀羅全体の半分にも満たないが。
「ヤツら本気で勝てると思ってンのか?」
「信じらんねー……」
「そう言うなよ、せっかく遠いところお越し下さったんだから、せいぜいおもてなししなきゃなァ?」