*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
オレが助ける





*side 竜憧 柊*




「呼び出しといて遅セェンダヨッ‼」

「チャリでも漕いで来たンかよ!?」

「ウルセーわボケカスッ‼」

「5秒で殺すから黙っとけザコッ‼」

河川敷に構える魔陀羅のバイクの群れ、そしてちょうどそれに対峙するよう正面に並んだ死國のバイク。

まるで合戦前のような、一発触発の空気とけたたましいエンジン音が闇夜を震動させていた。

だが、指揮をとるべきオレの頭のなかは、目の前の敵じゃなく千歳のことでいっぱいだった。


『 XX埠頭にひとりで来い─── 』


このメールは十中八九、"罠"だ…………!

そこに千歳がいる保証はない。

しかし縛られた画像がある以上、千歳が拉致られたのは間違いない事実だ。
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