*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
霧島がオレめがけて拳を振り上げた。
それを紙一重で交わす。すぐに2発目が来たが、避けると同時にその腕を捻り上げた。
「千歳をどうしたッ!?」
「ッ……‼」
掴んだ腕をさらに強く捻る。
「ホントはどこにいる!?」
「……ッし、……知らンわボケ‼知っとっても言うか‼」
「……テメェェェ」
そのとき、背後からオレに木刀が振り下ろされた。
「ッ!?」
気配を察知し、霧島を離してソイツを殴った。相手は地面に転げたが、今度は自由になった霧島が落ちた木刀を拾う。
「死ねやアアアアッ‼」
オレ目掛けて振り抜いた瞬間、木刀を握る手首に思いきり回し蹴りを入れた。
スニーカーの裏から手首が折れる感触が伝わった。霧島は木刀を落とし、何か聞き取れない言葉を漏らし、もがいてうずくまる。
「オイ、テメェエエエエエ千歳はッ──‼」
だがすぐにまた別の男がオレに殴りかかってきた。