*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
口を塞がれたまま怒鳴った。
周りで乱闘してるヤツらは、幸い誰ひとりオレの異変やタカシの存在に気づいてない。
もしも、宿敵"雷怒"の頭・タカシがここにいると気づこうものなら魔陀羅はもちろん、死國の連中も黙ってないだろう。
タカシはオレとは個人的に繋がってはいるが、チームとしては最大の敵だ。オレらの関係はかなりややこしい。
「ちょっとこっち来い」
そのタカシが、周囲でケンカする連中に気づかれないよう、さりげなくオレを誘導した。
「……はァッ!?」
「早くッ」
状況がまるでつかめないが、ここじゃ話も出来ないからとりあえずタカシに従った。
「こっちだ」
タカシはどんどん人だかりを外れ、闇のなかへ向かう。
「オイどこまで行くんだよ!?」
もう誰もに聞かれないだろうというくらい、輪から離れると、その背中に声をかけた。