*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
そう言ってタカシはオレに、四つ折りの紙切れを手渡した。
「……茜の……住所……!?」
「そうだ。予想だと十中八九、千歳って女を誘拐したのもお前にメールを送ってきたのも、その茜ってヤロウだと思う」
「千歳を拉致ってそのままどこかに監禁してる……っていうのか」
想像すると腸が煮えたぎってくる。
アイツは怪しいと踏んではいたが、族じゃないと感じたのは、オレのカンが鈍ったからか!?
すっかり騙されたのかもしれない。
「今も女と一緒かは知らないが、少なくとも今ここで乱闘してるなかに茜はいない」
「なんで言いきれる?」
「ウチのメンバー(雷怒)に、適当な理由をつけて茜を見張らせているからさ。仲間から連絡があった。ヤツは今自宅に居る」
「……ッ」
これには少し驚いた。
協力してくれるのはもちろん有り難いが、この一件はタカシに何の関係もないのに、ここまで骨を折ってくれるなんて。
「……お前……なんでそこまですんだ?」