*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「目元は元々そっくりでしょ?頭からパーカーかぶってマスクで顔を隠せば、辺りは暗いからみんな気づかないよ」
「……………………本気か!?」
「本気だよ、それにほら見て、白髪のカツラと厚底シューズも持ってきたの!これを履けば身長もサバ読める」
そう言って椿子は、持参したらしいカツラと厚底シューズを持ち上げてオレに見せた。すっかりその気らしい。
本気なのは分かったが、あまりに無謀だ。無茶にもほどがある。
「一応、オレは止めたんだぜ?」
タカシは肩をすくめる。
「でも椿子が譲らないんだ」
「お前まで何言ってんだよ!ムリに決まってる!」
「シュウ!私こう見えても学校じゃ演技部なの」
「だからなんだよ」
「あのね、私はシュウのこと世界中の誰より分かってる。だって双子だもん。シュウの言いそうなことや、表情、立ち振舞い、しぐさ、完コピする自信ある」
「でもなァ」
百歩譲って、マネキンみたいに突っ立てるだけならバレないかもしれないが、もし殴りかかられたらどうする。
椿子なんか一撃で死ぬ。