*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*




「…………ッ!」

「ほら入りや、千歳はウチに来てへんで!」

一転してドアを開け放つ茜。

開き直ってるようにも見えるが、本当のことを言ってるようにも見える。

とにかく茜の家に上がり込んで、部屋という部屋を片っ端から見てまわった。

リビング、キッチン、トイレ、バスルーム、クローゼット、押し入れ、ベットの下まで、とにかく人を閉じ込められそうな場所はくまなくチェックした。

だが、どこにも千歳の姿はない。

大きなダイニングテーブルに食べかけの食事がおかれてある。茜はひとり夕食中だったのだろう。つけっぱなしのテレビからは音楽番組が流れている。

なんのヘンテツもない一般的な家だ。

「…………バカな」

「これで分かった?ウチにはいいひんて言うたやろ?」

勝ち誇った顔の茜。

オレのカンが外れた!?本当に茜は無関係なのか……!?
それとも別の場所に監禁してるのか!?

「……メール通り埠頭に行くべきだったか…………?」
< 312 / 578 >

この作品をシェア

pagetop