*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………ッ!」
「ほら入りや、千歳はウチに来てへんで!」
一転してドアを開け放つ茜。
開き直ってるようにも見えるが、本当のことを言ってるようにも見える。
とにかく茜の家に上がり込んで、部屋という部屋を片っ端から見てまわった。
リビング、キッチン、トイレ、バスルーム、クローゼット、押し入れ、ベットの下まで、とにかく人を閉じ込められそうな場所はくまなくチェックした。
だが、どこにも千歳の姿はない。
大きなダイニングテーブルに食べかけの食事がおかれてある。茜はひとり夕食中だったのだろう。つけっぱなしのテレビからは音楽番組が流れている。
なんのヘンテツもない一般的な家だ。
「…………バカな」
「これで分かった?ウチにはいいひんて言うたやろ?」
勝ち誇った顔の茜。
オレのカンが外れた!?本当に茜は無関係なのか……!?
それとも別の場所に監禁してるのか!?
「……メール通り埠頭に行くべきだったか…………?」