*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
こうして仲間といるときでさえも、クールで孤高なリーダーという"キャラ"を2年間演じ、作り上げてきた。
今じゃすっかり演技も板につき、その甲斐あってオレはメンバーたちから、無口で残忍でとにかくそうとう怖い男だと思われている。
だがそれも全て魔陀羅の頭として、誰にも舐められないため。そう、この世界は舐められたら終わり。
だからオレが2年かけて築き上げた"総長キャラ"は完璧だ。
だが内心は、いつもメチャクチャ気を使わせて申し訳なくも思ってるところもある。
本当はもっと気さくなやり取りをしたい(だって仲間だし?)
だから新たに入学した高校では、この総長キャラは封印することにした。
それに、魔陀羅の総長じゃない自分でいられる場所が欲しかったし………………。
「あ、あの……ラギさん、ほんの冗談ですよ!?」
ほら、今も。オレがずっと黙っているから、部下の男達は焦ってる。
「怒っちゃいねーよ。ただ今夜は胸が落ち着かない」
「……胸……ですか?」