*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「………………」
遠くで救急車のサイレンが響いてる。
千歳の前髪を揺らした夜風が、ゆっくりオレに流れてきて、火照った頬を撫でた。
「それより、竜憧くんにも"使命"があるんでしょ?」
「………………え?」
「私ね、さっき、気を失ってるときね、なんとなく竜憧くんたちの声聞こえてたの……。あのとき乃愛ちゃん、"私には使命がある"……とかって言ってなかった?」
「……聞こえてたんだ」
「なんとなく、ね。…………で、竜憧くんにもやらなきゃいけないことがあるでしょ?」