*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



「……ッ」

真っ直ぐな千歳の瞳。

喉の奥が焼けるほど痛くなって、せきを切ったように詰まっていた言葉が溢れてきた。

言わなきゃいけない。伝えなきゃいけない!

「……オレは族やってるけど……それは暴れたいからじゃない……!人を傷つけたいんじゃない!……誰も傷つけたくない……ッ!」

「…………」

「ち、千歳より魔陀羅が大事とか、そういうことじゃないんだ!千歳が大事だからこそ…………魔陀羅を解散しても、何の解決にもならないんだよ……!」

「…………」

「むしろ解散して掟をなくたら、バラバラになってヤツらは好き放題にもっと悪いことする。そんでまた新しい族が生まれて…………つまり、同じことの繰り返しなんだ」

「…………」

「……ゴメン、こんな話、千歳にはどうでもいいよね…………」

「…………」

「…………ち、千歳のばあちゃんのことは…………ばあちゃんのことは……ッ……何て言うか……オレも…………」
< 354 / 578 >

この作品をシェア

pagetop