*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
激しくかぶりを振った。
ありがとうなんて言ってもらう資格ない。
オレのせいで危険な目にあって、オレのせいで泣かして、なのになにもしてあげられないのに。
好きな子が、肩を震わせて泣いても黙って見ているしか出来ない男なのに。
いっそオレなんかこのまま溶けて、夜空に消えちまえばいい。
「……あ、あの、……あ、そうだ、子猫たち、げんき?」
「……」
オレが黙ったからか、言葉を探しながら千歳が問いかけた。
「…………………………………げ、…元気だけど……」
「また……見に行ってもいい?」
「……!」
"もちろん"
すぐそう答えたかったけど、それも言葉に出来なかった。