*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
これは嘘じゃない。そして原因も分かってる。
ぶっちゃけると、こないだ東田千歳に言われたことが、ずっと波紋のように響いてる。
そして時間が過ぎるほど、治まるどころか胸の揺らぎは大きくなる。
そりゃな。どうせ今どき族なんかダサいわ暑苦しいわ迷惑だわ、世間じゃ嫌われモンだろーよ。
それは分かってたけど、あんなにも目の前で(しかも女子に)ハッキリキッパリ言われたのははじめてだ。
けっこう心にずーん……っと来るもんだな。
「まさかラギさん、……学校にオンナでも出来たんじゃないですよね?」
……………………は?
人が珍しくセンチメンタルになってるってのに、仲間のひとりがトンチンカンなことを抜かした。
「オイ!失礼なこと言うな‼ラギさんがオンナなんか作っかよ!"ラギさんは女嫌い"なんだぞ!?」
「あ、そっか。すいません総長ッ」
「寝ぼけたこと言ってンと殺されんぞッ‼」
「ラギさんの"女嫌い"は常識だろ‼」
部下たちの勝手なやり取りに拳が震える。
ちょっと、待て。
オレがいつ女嫌いって言ったよ?
勝手に女嫌い設定にすんな!