*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
相手の返事なんか待たずに切った……そんな感じだった。
「……何かあったの?」
「……」
彼は切れたスマホを見つめ黙りこんでいる。
でも確か、"今すぐ行く"って行ったよね!?
どこに!?
もう学校の校舎見えてるんだけど…………!?
「あ、……ちょっと、仲間がトラブって……」
数秒の間をあけて彼は私の問いかけに答えた。まるで時差でもあるみたいに。
ただし"仲間"って3文字だけ、やたらトーンが落ちた。
私にはっきり言えないんだろうけど、仲間ってのはつまり、"魔陀羅"のことだよね…………?
「っ」
どんな言葉を返したらいいか分からず、「あ、そうなんだ」と、なんか間の抜けた返事をしてしまった。