*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
竜憧くんは奥歯を噛みしめて、逡巡しているようだ。私は黙っているのが我慢できず彼に訊いた。
「もしかして今からどこか行く気なの?学校は?」
「……ッ」
「……サボるの?」
「いや、サボんないよ、学校行くよ。……でも」
「……」
なるべく自然な感じで訊ねたつもりだけど、彼は私に咎められてると感じたかもしれない。
そうだ、正直、行ってほしくないよ。
でも彼は明らかに板挟みで困ってる。
「友達が困ってるなら助けに行った方がいいよ」
そのでつい、そんな言葉が口から出た。
「一時間……いや、30分で戻る。先に学校行ってて」