*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
オレを嫌いなキミ



*side 東田千歳*





「うるさーい!」

同日、午後8時。

完全に日が落ちて街は夜に包まれた。でも今夜の主役は闇を切り裂くバイクのヘッドライトと爆音。

街全体のいたるところで、改造したバイクとパトカーの追いかけごっこが起きている。

なんなのこれ、まさかテロでも起こす気か。

「だいたい集会の場所ってどこよ!?」

そんな熱気を孕んだ街の片隅にいる私は、小海に誘われてのこのこやって来たことを早くも後悔している。

友達の家で勉強するってミエミエの嘘を、お母さんについたのに。

「……ッおかしーな、先月は駅裏の工業地帯に集まったって聞いたのにな……」

「"先月は"って?毎回場所変わるの!?」

「らしいよ、いつも同じとこに集まるとすぐ警察に目ェ付けられるから」
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