*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
正体がバレた!?
*
それから1週間が過ぎたある朝だ。
思いもよらないことが起こったのは。
学校に着くと、女子も男子もある噂で持ちきりだった。
「あ。千歳!」
教室をくぐるなりさっちに捕まった。
「おはよ。……どーかしたの?」
なんとなくいつもと違う空気を察知した。
「ちょっとこっち来て!」
さっちは私の腕に腕を絡めると、そのまま教室隅に引っ張る。
この時点でなんか嫌な予感……。
「どうしたの?」
さっちは窓の前で足を止ると、もう一度あらためて私に訊ねた。教室の入口をきょろきょろしながら。
「今日は一緒じゃないの?ここんとこ毎朝一緒に来てるけど」
…………なぁんだ、また竜憧くんの話か。
「うん、まあ、今日は別」
誰に聞かれてるわけでもないけど、答える声は小さくなった。