*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「なんか今朝は急用ができたから少し遅れてくるんだって」
「……そう」
朝起きてすぐ、スマホに竜憧くんからそう連絡が来た。。今日は一緒に行けないって。
何の"急用"かは訊いてないけど、きっとまた暴走族関係のトラブルじゃないかと思う。
総長って意外と大変なんだな……。
「でも別に毎朝一緒に来るって約束してる訳じゃないよ?」
「でも付き合ってるんでしょ?」
「…………んー」
それもいまいちはっきりしない。
私が曖昧な返事をすると、さっちはとても神妙な顔に。何かを言うか言うまいか逡巡している感じだ。
「さっち?」
一瞬、"黙ってたけど実は私も竜憧くんが好きなの"って言われる予感がした。
友情と恋に板挟みで、まさに青春の醍醐味を味わう自分の映像が脳裏に浮かんだ。