*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「…………え?なにそれ嘘でしょ……?」
でも棒読みだったであろう私のリアクションを、単純に"驚いたからだ"とさっちは解釈してくれた。
「だよねー、あり得ないよねー。私も聞いたときそれは"ないな"って思ったもん。だって竜憧くんて、見た目によらず中身草食って感じだし……」
「……っ」
「掃除とかも真面目にやるしさ、クラス委員押しつけられても引き受けてたし、あと先生に雑用頼まれてもれても………………ほんとバカが付くくらい真面目…………」
さっちの話が頭に入ってこない。
"竜憧くん、魔陀羅の総長だって。"
……なんで!?
なんでバレたんだろう!?
「……みんなが嫌がること文句言わないで黙々やってるよね?あんなにバカ真面目なのに不良みたいな髪してるからそーいう変な噂を……」
「ねぇさっち‼」
話を遮るように大声を出したからか、さっちの細い肩がビクッと震えた。