*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*




「…………え?なにそれ嘘でしょ……?」

でも棒読みだったであろう私のリアクションを、単純に"驚いたからだ"とさっちは解釈してくれた。

「だよねー、あり得ないよねー。私も聞いたときそれは"ないな"って思ったもん。だって竜憧くんて、見た目によらず中身草食って感じだし……」

「……っ」

「掃除とかも真面目にやるしさ、クラス委員押しつけられても引き受けてたし、あと先生に雑用頼まれてもれても………………ほんとバカが付くくらい真面目…………」

さっちの話が頭に入ってこない。


"竜憧くん、魔陀羅の総長だって。"


……なんで!?
なんでバレたんだろう!?

「……みんなが嫌がること文句言わないで黙々やってるよね?あんなにバカ真面目なのに不良みたいな髪してるからそーいう変な噂を……」

「ねぇさっち‼」

話を遮るように大声を出したからか、さっちの細い肩がビクッと震えた。
< 438 / 578 >

この作品をシェア

pagetop