*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「立派!?…………はァーー驚いた!まさか千歳の口から"総長が立派だ"なんて言葉聞くとはな!」
小海の瞳が、怒りで揺れている。
「そ、そういうつもりで言ったんじゃない……!つまり、」
「だいたいなんで千歳が竜憧を庇うんだよ?あんなに大嫌いな暴走族やってんだぞ?」
「だからそれは……ッ」
私だって分からない。心のなかで糸が縺れたように苦しいときもある。
でも、竜憧くんが好きなんだよ。
あんなに優しいひとは他にいないってくらい特別なんだよ。
「こないだはいきなり席変わってとか言って、あんなに避けてたのに何があったんだよ?」
「…………っ」
混沌と揺れる気持ちはなかなか言葉にできない。
でも私の目を見て、小海はすべてを分かったみたいだ。
「オレには秘密か。……バカだ千歳、男見る目ないな、無さすぎだよ、すぐ近くにこんないい男がいたのに。…………もういい。勝手にやってろ」