*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
時刻は過ぎてお昼休みになった。
でも竜憧くんはまだ学校に来ない。
クラスのみんなもチラチラ彼の席と壁の時計を交互に見比べて、噂の主役の登場を今か今か待ちわびてる感じだ。
祭り前にも似たふわふわした空気と、微かな緊張に表情に教室は包まれている。
でも、みんなは彼が魔陀羅の総長だって、本気で信じているわけではなさそうだ。半日を過ごして気づいた。
毎日単調で退屈だから、ちょっとした話のネタになってるだけっぽい。
それに竜憧くんと、魔陀羅の総長のイメージが果てしなくかけ離れてるってことも幸いしている。
"竜憧があの魔陀羅の総長だって話聞いた?"
"いやいやあり得ないでしょ"
"だよねー"
的な。