*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
この分だと私の心配は杞憂に終わるかも。
彼が"そんなわけないじゃん"って一言笑って言えば、もうそれで笑い話になるかも。
なんだ、今朝ひとりであんなに焦って損した、バカみたい。
「あ。千歳どこいくの?」
お昼休み、教室を出ようとしたところでさっちに声をかけられた。
「トイレ」
現にさっちももう噂なんか忘れてる。
でも………………、
廊下を歩きながら思った。
学校には確実に彼の正体を知ってるひとがいるんだ。
まず私、それとB組の茜乃愛、3年の茜先輩、そしてたぶん(?)小海。
だけど実は他にもいるのかも。
そしてその中の"誰か"が悪意をもって噂を流した…………。
そんなことしたのは小海じゃないって信じたい、小海はそんなヤツじゃないって…………。
でもさっきの感じだと、やっぱり疑ってしまう…………。