*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
なんてことを頭でうだうだ考えていると、乃愛は視線を鏡に戻して手を洗いはじめた。
そして、
「今誰か入ってきた気がしたけど誰もいないよね……?私の気のせいか……」
鏡に映る自分に向かって、そう話しはじめた。
「…………!?」
「今トイレにいるの私だけ。だからこれって一人言よね」
「…………!?!?」
私が驚いて口を開けても、完全無視。おかまいなしで喋り続ける。
なんなの?嫌み?
もしかしてこの子、頭がおかしくなったのかと一瞬疑っちゃった。
「あー、そうだった、こないだ面白いこと聞いたんだった、うちの諜報部隊が警察無線盗聴してたら、面白い話してたんだったー」
「…………??」
「確かぁ、魔陀羅の掃討作戦で幹部らを一網打尽に捕まえる……って言ってたなー」