*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「いやそうでもないらしい。魔陀羅はあまりに人数多いからみんなで走ったりしないんだって。それぞれ少人数の固まり作ってバラバラに走る」
「…………」
そうなのか、だから街全体がバイクでやかましいのか。
「だから運がよけりゃオレらでも遭遇できる可能性はあるってこと」
「へー、……まあ確かにバラけてた方が、警察も一網打尽に出来ないかもね」
「なー。色々考えてるよな、今の代の総長」
感心したって顔で小海が頷く。
別に私はその総長とやらを褒めたわけじゃないけど!?
「今夜はその総長って人も走ってるワケ?」
「あー、いるだろうね。たぶん。でも総長だけはぜっったい近寄れない」
「なんで?」
素直に訊くと、小海は何も知らないんだなって感じに、はーっとため息。