*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「どこにって…………、さっき言ったよね?今日の放課後は文化祭の打ち合わせだよね……って」
飛島さんと見つめ合うこと五秒。
「……………………あ」
「もしかして忘れた?」
もしかしなくても忘れた、頭のなかは竜憧くんのことでいっぱいで。
机で自分のスマホとにらめっこしていた私は、現実を思い出すと同時、苦笑いするしかない。
こんなにきれいさっぱり忘れるって…………我ながら呆れる。
だいたい文化祭の実行委員なんかなんで引き受けたんだろ。私のがらじゃないのに。
なんでだっけ?…………そうそう、風邪で休んだら私に決まってたんだった。彼が転校してくる前のことだ。
もしあのとき竜憧くんがいたら、進んで引き受けていただろうな。
時刻は三時半、とっくに担任の先生も教室からいなくなっている。教室に残っている生徒もまばら。
竜憧くんは結局今日ここに来なかった。
「じゃ行こうか東田さん?」