*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
想像すると、タバコの煙を思いきり吸い込んだくらい、胸がムカムカする。
一度顔を見てみたいものだ。
きっと田母神みたいな、すっごく嫌な顔してんだろうな。
仲間がいなきゃ何も出来ないくせに、ルールも守れない子供なくせに、自分は強いって勘違いしてるようなヤツだ…………!
「誰も言わないなら私が本当のこと言ってあげるよ!ダラダラつるんで社会に反抗してるのは、しょせん弱い証拠だよ。強い人間はつるまないでしょ?嫌なことからも逃げないわ。"強い"ってことの意味をはき違えてる!魔陀羅の総長なんか大ッッ嫌い!猿山の猿だよ!」
あまりにみんながその総長とやらを崇めるもんだから、ついストレスが爆発してしまった。
そんなに大声を出したつもりはないけど、夜の街に私の声は、思いのほか大きく響いた。
「ちょ、オイ、ちとせ~ぇ!?」
驚いた小海があたふた。
別にいいよ、誰かに聞かれたって。
別に魔陀羅のメンバーに聞かれたって…………。