*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
……来る‼……ナニカが来る‼
夜空に爆音を轟かせ、雷のような大群がどんどん迫ってるくる。
「……ッ…‼」
あまりの轟音に頭がおかしくなりそうで、耳を塞いでしまった。やがて国道のむこうから、洪水のように押し寄せる光の波が見えてきた。
バイクのヘッドライトだ。それも後から後からどんどん増えてくる。
いったい何台バイクが走ってるんだろう。大地まで揺れている気がする。
その光景に圧倒されて、言葉がでない。隣に立ってる小海もさすがに言葉をなくして茫然自失の顔だ。
魔陀羅の部隊……!?
雷鳴のようなエンジンを纏って、まるで巨大な龍のようなバイクの群れは、あっという間に私たちのいる駐車場を取り囲んだ。
それは圧巻の眺めだった。
悔しいけど、足がすくむほど興奮して、心に焼きついた。