*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
身長は2メートルくらいありそうな、しかもプロレスラーみたいに筋肉隆々の男。
軽く撫でられただけで死ぬかも……。
「……ち、ちち千歳、もう帰ろーぜ……!」
私の肩に手をおいた小海、すでに震えてる。
「……私は、ただりんど……」
「アアッ!?何だァ!?」
鼓膜が破れるかと思う怒鳴り声。さすがに心が折れそうになった。
「ガキは帰ってクソして寝ろッ‼こっちは気ィ立ってンだよッ‼」
「……ッ」
言われなくても全身から険悪なオーラが出まくりだ。山で腹を空かせた狂暴なヒグマに出くわした気分。
身体が硬直して動けない。
「黙れ」
次に私がなにか言ったら、間違いなく殴られる…………そう確信したとき、ヒグマ男の背後から刺すような声がした。
「ガキ相手に騒ぐな」
それは怒鳴り声とはほど遠い、落ち着いた声だ。