*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



でもその分、うなじに氷を当てられたようなゾッとする冷たさがある。

「……スイマセンッ‼」

いまにも私たちを襲いそうだったヒグマ男が、ハッと怯んで後ろに下がった。

他のメンバーたちも次々にその声の主に頭を下げて、道を譲る。

「…………っ!?」

ライトが眩しくて顔は見えないけど、靴音をコンクリに響かせながら、ひとりの男が私たちに近寄ってくる。

「ここはガキの来るところじゃねー。消えろ」

一切の感情を削ぎ落とした冷たい声。

決して威嚇されてるわけじゃないのに、迫力で腰が震えてしまった。
< 516 / 578 >

この作品をシェア

pagetop