*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*




そして顔を上げたとき、竜憧くんの表情はさっき登場したときのクールキャラに戻っていた。

「ガキなんか相手すんな。さっさと帰せ」

すご…………これが二重人格でないなら、まるで鉄の仮面でも付けたみたいだ。

「でもコイツら黙って帰していいンすか?」

「お巡りの作戦のことも知ってたし…」

「どう見てもただのガキだろッ」

不満げな部下たちを冷たく一蹴する竜憧くん。私たちをここから逃がそうとしてくれてるらしい。

「総長がそう言うなら……」

「待ってください、コイツ自分のことラギさんの女だって言ったんすよ?それはどうなんです?」

でも鷲尾だけはしつこく食い下がった。
だけど……

「ちょおっと待ってッ!?それ言ったの私じゃなくて小海ッッ‼」

「ウルセェ‼どっちでもいいだろッ‼オレはラギさんに訊いてンんだ黙ってろブスッ‼」
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