*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「……それは、……違うよ、どっちが大事とかって話じゃないんだ」
「うん……うんッ!わかるよ、あたまではわかる。わかるけど……ォ。私あのとき悲しくて、悔しかった……ッ。心の奥では…………悲しかった。私はなにより竜憧くんが一番なのに……竜憧くんは違うんだって」
千歳は泣きながら走り出した。
返事も聞かないで。全身でオレを拒絶するように。
「……ちとせ…ッ…!待って‼」
「サヨナラッ!」
どんどん背中は小さくなる。
そんな風に思われていたなんて。
そんな風に傷つけていたなんて。
終わりなのかな。
こんな終わりなのか…………。
走り去る千歳の背中は、どんどんオレから遠くなってゆく。